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ロルナの祈りの一のレビュー・感想・評価

ロルナの祈り(2008年製作の映画)
4.0
『ロゼッタ』『少年と自転車』のダルデンヌ兄弟監督作

幸せな暮らしを夢見る麻薬中毒の男と国籍取得のために偽装結婚をしたロルナが、彼と過ごす日々の中で本当の愛を知って葛藤する姿を描く

決して派手な描写でなく心理描写を丁寧にかつ伝わりやすく描くダルデンヌ兄弟の手法が光りまくる

偽装結婚の為と分かっていながら好意を抱いてしまったクローディの健気さが涙を誘う

やはり本作も自転車で泣かせてくるダルデンヌ兄弟
自転車を買ったクローディが乗っていく姿を見送ったロルナの笑顔が目に焼き付いて離れない
思い出すだけでまた涙

『ロゼッタ』を思い起こすラストカット
この先ロルナに幸せが来ることを願うばかりです
エンドロールに明るめの音楽が流れてきたのが救い

ダルデンヌ兄弟なのでもちろんエンタメ性は皆無ですが、落ち着いた雰囲気の中で様々な感情に揺さぶられる傑作

2020 自宅鑑賞 No.303 GEO
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