タカシサトウ

ロルナの祈りのタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

ロルナの祈り(2008年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

[幻想で生き延びる]

 ロルナにとって、自分達の夢の為に、麻薬中毒者が殺されるのは耐えられないだろう。しかも、段々、彼に愛情を感じるようになっていたのなら猶更。アルバニアから逃げ出して、他国で生き延びるのには、これしかなかったのかもしれない。

 だから、幻想によって、彼と共に生き延びて行こうとしたのだろう。それがラストでの淡い希望だと思う。

 ダルデンヌ兄弟の作品の中で、印象は薄いが悪くない。 

 ロルナのアルタ・ドブロシの無表情と涙がなかなかいい。クローディのジェレミー・レニエは、ダルデンヌ兄弟の作品の常連。前半のどうしようもない感じも、回復していく所も良かった。ファビオのファブリツィオ・ロンジョーネも、常連で、悪だがロルナを当てにする感じがなかなか良かった(2020.7.23)。