ジャズレジェンドたちの演奏シーンを贅沢に味わうことができる映画。
例えばあるシーン‥、デクスター・ゴードンとフレディ・ハバートが並んで吹いて、後ろでロン・カーターが弾いている、これを正面から捉えた構図なんて最高にカッコいい。
その主役のデクスター・ゴードン、
彼の演技の巧拙はわからないんだけど、あの超朴訥な話し方と、どこか詩的な台詞と、時折見せるニッとした笑顔に、結構ハマる😄
なお主人公デイルのモデルはバド・パウエルだそうだけど、麻薬禍や渡欧期などゴードン自身の人生とも重なる部分が多いらしく、そう考えるとどこまでが素でどこからが演技なのかもわからなくなってくる。
彼が吹くテナーの音色にも似た、とても味わい深い一作。
▽その他雑感
①モリコーネが『ミッション』でアカデミー作曲賞最有力だったのに、ハービー・ハンコックに敗れて残念!という話が、映画『モリコーネ』で語られてたけど、その時の受賞作がコレですね。
②Chan’s Song
劇中では娘のためにデイルがつくったこの曲、ハービー・ハンコックとスティーヴィー・ワンダーの共作らしい。エンドクレジットに出てた。
なお劇中で「歌詞は必ずしも必要でない」と言ってるけど、実際には歌詞もあるとか。
③ハービーとカーターに加え、ウェイン・ショーターにトニー・ウィリアムズも出てて、これはもうマイルスの黄金クインテットの面々ですね。劇中では全員揃っての演奏は残念ながらなし。