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義士外伝 忠僕直助のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

義士外伝 忠僕直助(1939年製作の映画)
3.2
1939年って志村喬、34歳くらいだよな…。
昔観た本作と同年の「鴛鴦歌合戦」に志村喬がヒロインの父親役やっていて、「忠僕直助」では刀鍛冶の師匠役で出演してるけど、30前半で役的に10歳かそれ以上離れてるでしょ…。
(キャラ年齢イメージとしては40代〜50前半くらいだと思う。)
ただ実年齢より老け顔ではあるけど、つい最近ある番組で1980年(本作から41年後)の志村喬を見て、顔の造形とかこの頃から全く変わってないの、逆に凄い気がしてきた。

それはともかく本作「忠僕直助」は”侮辱を受けた主人と部下の忠義”を描いた忠義美談モノだ。
侮辱を受けた主人と部下の忠義を描くの内容といえば、大曾根監督の『奴銀平』を少し思い出す。展開自体は異なるが。

ただ『奴銀平』は主人が切腹するまで追い詰められた武家社会の陰湿さとその中で光る奴銀平の忠義を深く描いてるのに対して、「忠僕直助」はもっとストレートに忠義美談のように感じる。
陰湿さは少なからずあるが、陰湿な描写に関しては圧倒的に『奴銀平』の方が上手い。

一方で『忠僕直助』は佩刀の侮辱──主人の名誉の傷を起因に、刀鍛冶の弟子入りと一流の刀鍛冶になって雪辱を果たすことに大幅に物語のリソースを振る。
映像構成も侮辱を受けた日の雨、主人から離れる前の直助の涙。刀鍛冶になるために雨の一晩を受けても門戸の前に居座りを受ける姿、朝早くから働く姿まで結局は最終的に主人のためという帰結的な感覚が観ていてあり、忠義の美談っぽさを強く感じさせる。
ただし美談色が強すぎてスジは微妙な出来ではある。
一方で顔の武家社会、いえば名誉の武家社会の裏腹に、真正な忠義で生まれた実像と紛い物的な虚像を"刀"を通して映している。終盤の内容を観てそ