1956年 アメリカ作品 モノクロ
ヒッチコック44/53
●ヘンリー・フォンダ(マニー)
●ヴェラ・マイルズ(ローズー妻)
●アンソニー・クエイル(フランクー弁護士)
ヒッチコック再評価2
ヒッチコックに珍しい実話によるスリラー。ヘンリー・フォンダが間違えられた犯人役の不安を演じる。
楽団員のマニーは妻の病気代の借金ため保険会社に行くが、そこで強盗犯に間違えられ、逮捕される。
友人の援助で保釈された彼と妻は無実の罪を晴らそうと奔走する。
保険会社の女子職員達が過去2度強盗に入った男に間違いないと証言する。これが逮捕の決め手なのだが、間違っているにもかかわらず、似ていたとはいえあそこまで断言するのは、一種の群衆心理か。実はそこまで似ていない。あまりにいい加減と思う。さらに警察もそれだけを根拠に、マニーと妻がしょうとした事件当日のアリバイの確認を何故行わないのか不思議。
当時のアメリカの警察はこのレベルだったというなら仕方ないが。
ヘンリー・フォンダの不安な面持ち、彼が見つめる先に見える裁判中の周りの状況の描き方など、よく描かれている部分もあるが、実話をベースにしているとはいえ、警察の対応(検事なのだが)が雑すぎ、さらにラストのあまりに簡単な解決は拍子抜けする。面白とは言えない。
#2022-263