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間違えられた男のatsushiのレビュー・感想・評価

間違えられた男(1956年製作の映画)
3.8
開始早々、ヒッチコックが暗がりで語りを始める。この『世にも奇妙な物語』ライクな演出だけで既に、今作が他のヒッチコック映画作品とは違うことがわかる。実際に起こった事件を基にした、いやヒッチコックが極限まで史実を忠実に再現しようとしたと言う本作。ミステリー調に仕上げても良さそうな題材だけに、敢えて冤罪を被った主人公の主観オンリーにすることで、如何にもヒッチコック的な物語に消化されている。ヒッチコック自身は駄作と言っているが、トリュフォーも言及している通り、他の監督が撮っていたらどんなものが出来上がったことか。

2024/04/12 1回目
【2024年122本目】
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