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ヒア&ゼア・こことよそのkのレビュー・感想・評価

ヒア&ゼア・こことよそ(1976年製作の映画)
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世界は区別することによって立ち現われる。ここ(フランス)とよそ(パレスチナ)が違う場所なのだと区別することでこの映画が成り立っているように。世界はそういった複数のイメージの連続で成り立つ。資本主義は、貧乏と金持ちの区別、工場労働する人の、労働のイメージの内面化等々によって成立し、世界を駆動している。映像に添えられた音、世界を構成するイメージに添えられた音は、そのイメージの意味を確定させていく。音量を上げたり下げたりし、イメージの連鎖を作り変えていくことで、世界を変容させることができる。
とかいう教科書的なゴダール理論が割とストレートに透けて見える作品。ミエヴィルが絡んでくるとつまらなくなることも含めて最早好きですが。ようやく最後まで見れた。
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