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ヒア&ゼア・こことよそのひでPのレビュー・感想・評価

ヒア&ゼア・こことよそ(1976年製作の映画)
2.0
2022年7月29日DVDブルーレイ。ゴダール/ソニマージュ初期作品集3作品。
「ヒア&ゼア こことよそ」
「パート2」
「うまくいっている?」
発売マーメイドフィルム、販売紀伊國屋書店。
なぜこれほどまでに持て囃されるのかゴダールさん。この頃の映画はどれもこれも別に面白いとは思わない。撮影から音から当時画期的撮影というが、今となっては、そんな手法はどうでもいいことであって、面白い映画を作ればいいこと、と思うが映画が面白くない。

ゴダールさんは、よく政治体制の話が映画に挿入されているを。共産、専制、社会主義、資本主義。
フランスの近年の政治体制「社会民主主義」に落ち着いたことに起因するものだと思う。
その前は共産主義が横行し絶対専制の共産社会になっていてもおかしくなかったフランス国民が、「ちょっと待てよ」、やっぱり『議会』を通そうよ、力ずく出ない政権がいいよねということで『社会党が急進』し共産主義寄りの党や集団が衰退していく。よって、フランスは民主主義でもなく共産主義でもなく、それでいて「議会」を通す「社会主義」、この体制の左寄りの話しを好んでテーマにしている。この映画も顕著。
監督は自分が右寄りか左寄りか表明をしていないが、少なくともあの時「共産主義国家」のフランスにならなくて良かったと感じてるのではないだろうか。


「ヒア&ゼア こことよそ」
72年以後3年間新作を発表しなかったジャン・リュック・ゴダール。
妻アンヌ・マリー・ミエヴィルと完成させたメッセージ映画。
製作ジャン・リュック・ゴダールとアンヌ・マリー・ミエヴィル。
監督はジャン・リュック・ゴダール。
撮影はウイリアム・ルプシャンスキー。
映画は接続詞「ET」つまり「~と~」について問う映画である。
何かと何かの間、その関係を繰り返し見せることで、現実、当事者と遠くで見る人聞く人、こちら側と向こう側の乖離、色んな何と何が出てくる。
70年2月から7月にかけて、ヨルダン、レバノン、シリアで撮影。こことはテレビをながめるフランス人家族。よそとはパレスチナ革命の画像。
「我々はまだ見ることも聞くこともよく知らないでいるのだ。よそで聞けるようになるために、ここで見ることを学ぶ。
他者のしていることを見れるために、互いに聞きあい話し合うことを学ぶ。他者とは、我々のここにとってのよそなのだ」というように、監督の哲学的映画。
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