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なごり雪のtheocatsのレビュー・感想・評価

なごり雪(2002年製作の映画)
1.0
ネタバレ
小さな歌詞を映画に膨らませることの難しさ

姉妹作「22才の別れ」は大林メモリアムとして好意的に視聴できたのだが、本作はうーん・・・、歌詞という数分のごく小さな個人的世界を、数時間という全景の広がりを持つ映画へと膨らませることの難しさを痛感させられた。

ただ、もしなごり雪という歌を全く知らず、映画オープニングの伊勢正三さん歌唱場面もなく、本ストーリーのみであればまた感想も違ったかもしれない。
つまりは歌の世界に拘泥することが大きな足かせになったと個人的には感じているわけなんです。その歌こそが映画製作の不可欠なインスピレーション源なのでナンセンスな苦言なのは承知しているのですが。

主演・三浦友和のモノローグ多用も映画世界観をこじんまり狭める主因となったよう気がしてなりません。モノローグは最初と最後の最小限にとどめ、普通のドラマ形式のほうが個人的な脳内再生ではしっくりきますが、皆が賛同する意見かは何とも言えません。

とかなりネガティブな印象となってしまったのは大林監督に一目置く人間として残念な限りですが、なごり雪という歌そのものに対し共感できないというより、はっきり言って好まないということも影響しているのでしょう。

肯定点としてはヒロイン雪子のおやっ!!となる綺麗さですが、美少女コンテストグランプリということであればそれも納得。
ロケ地大分県臼杵も魅力的と感じました。ぜひ訪れたいものです。


追記:どうにももやもやが残るのでもう一言。
綺麗さという点でヒロインと同等の宝生舞。彼女のあんな形でのバストヌードはスケベ心がぶっ飛んで大ショック!!! 彼女の隠れファンとしてはトラウマになるような衝撃の場面。バストヌード必要だったのかな・・・と全く納得できない。正直言うと不快不愉快意気消沈。一目置く天上人・大林宜彦に初めて怒りを感じた瞬間。濡れ場でもないあんな脱衣所覗きで女優がバストさらしなんて聞いたことないわ(怒!

それから歌抜きの普通ドラマなら云々に関して、なごり雪の歌を抜いたら相当陳腐なドラマになったことでしょう。

002006
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