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秦・始皇帝のmitakosamaのレビュー・感想・評価

秦・始皇帝(1962年製作の映画)
3.4
釈迦に続いて大映の超大作路線。永田雅一あいかわらずムチャしますわ。
大型セットや大量エキストラに加え、台湾ロケまで敢行。金のかけ方が尋常じゃないわ。
一部だけとはいえ6m×8mの万里の長城をセットを作ってんだぜ。すげーな。

主演は勝新。暴君始皇帝のダークヒーローっぷりは彼以外には無かっただろうなぁ。
儒学者が弾圧されたり、民衆が強制労働されたり。それを非難されても何が悪いか理解できない。なぜ朕の壮大な計画がわからんのか、と民衆の支持を得ないことに戸惑いさえある。
こういう傍若無人であるが故の盲目さ、みたいな縁起は勝新は
流石だなぁと思う。役になりきってる。

釈迦と時間的には一緒の160分。ただこちらの方が冗長な印象はあるな。
今作の方が映画的だとは思うんだ。全体的にセットもかなりリアル。芝居もしっかりしてるし嘘臭さが無い。
一方で釈迦の方がセットの箱庭感はあるんだが、全編に渡りエンターテイメントに溢れてる。
同じ時間でも秦・始皇帝の方がどうしても長く感じるとは思う。

史実と合ってるか合ってないかはよくわからん。初めて中国を統一した。万里の長城を建てた。郡県制を敷いた。ぐらいしかエピソードをしらん。

今作も音楽は伊福部昭。合戦のシーンなどでの臨場感はすばらしいですわ。
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