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結婚哲学の一人旅のレビュー・感想・評価

結婚哲学(1924年製作の映画)
3.0
エルンスト・ルビッチ監督作。

理想的な結婚生活を送るシャーロット&フランツ夫婦が、友人のミッツィ&ジョセフ夫婦と青年医師によって生活を掻き乱されていく様子を描いたコメディ。
サイレント映画だが、誤解、嫉妬、愛が交錯していく演出は見事。青年医師はシャーロットに、ミッツィはフランツに想いを寄せる。さらにジョセフは妻ミッツィと別れたがっているという何やら面倒くさそうな展開。シャーロットとフランツはお互い深く愛し合っているのに、他人の勝手な恋慕によって関係がギクシャクしてくるのだ。肉食系女子のミッツィがフランツを強引に誘い、逆にシャーロットは誤解されるような行動を青年医師と取ってしまったりする。男女間で起こるハプニングと、それらが原因で生まれる勘違いと夫婦のいざこざがコミカルに描かれている。
本作における結婚哲学・・・それは愛する人を“許す”ことだ。起こってしまった既成事実を無かったことにはできない。そうなると、関係回復のための唯一の方法は相手を許すことにある。無駄に紆余曲折しながらも最後は明るさに満ちた結末はルビッチらしい。
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