最高だったと、そう言いたい。これが人間だ、そう思わされる映画。理屈（理念）はもっともでも、理不尽な世の中で生きていかなきゃならない。ただそのなかでも大事なものを見失わないことが大切なことだ。
三郎（山本圭）の真っ直ぐさと知性は、強い。今の知識人とは違う、戦争や貧困という歴史・現実に鍛えられたものだからだ。
太郎（田中邦衛）の泥臭いが温かい人間性は、人間の底にある感情（共感ないし憐れみ）を証している。
太郎と三郎の喧嘩、論戦がもう素晴らしかった。
キャストも皆いい。あれだけのアップショットに耐えうる役者というのは、やはりすごいと思う。
主題歌が流れるところで、毎回泣いた。
