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グッドモーニング、ベトナムのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.8
【戦争映画のススメ】
グッドモーニング, ベトナム (1987)
◆本作で描かれる戦地
ベトナム戦争
 (実話に基づくフィクション)
◆本作のポジショニング
 人間ドラマ ■□□□□アクション

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・ベトナム戦争真っ只中のサイゴンに、兵士たちの士気高揚のため呼び寄せられた米軍放送の人気DJクロンナウアー。
・マシンガン・トークとロックンロール満載の彼の放送は、兵士たちから大人気を得る。ところが、彼の型破りな言動に驚いた軍上層部は放送を中止してしまい…。

〈見処〉
①1人のDJがベトナム100万人の
 GIの魂を揺さぶった——
・『グッドモーニング, ベトナム』は、1987年に製作されたヒューマン・コメディ映画。監督は、本作の翌年に『レインマン』にてアカデミー作品賞・監督賞に輝いた、バリー・レヴィンソン。
・本作は、実在の軍人DJエイドリアン・クロンナウアが、1965年から1966年まで
ベトナム米軍放送(AFVN / Armed Forces Viet-nam Networks)で担当していたラジオ番組「Dawn Buster」を通じた本人の体験を中心に描かれている。
・ラジオDJを通じた当時のヒットナンバーが登場する本作であるが、劇中に効果的に取り上げられたルイ・アームストロングの1967年のヒット曲「この素晴らしき世界」は、本作公開時にリバイバル・ヒットし、全米32位まで上昇した。
・また、シニカルな笑いと本国アメリカのロックで兵士たちを癒す、人間味溢れる型破りなDJ・クロンナウアを演じたまさにハマリ役のロビン・ウィリアムズは、本作にてゴールデングローブ賞主演男優賞を獲得。さらにアカデミー賞主演男優賞候補にもなるなど高い評価を得るなど、最初の「出世作」となった。
・共演は、前年の『プラトーン』に続くベトナム戦争作品の出演となるフォレスト・ウィテカー。

②結び…本作の見処は?
◎:「交戦シーンなし」「シニカルなジョークに包まれたヒューマン・コメディ」でありながら、「戦争の悲惨さ」をはっきりと描く唯一無二の戦争映画。残酷なシーンがなくとも、心にズシリと響く快作である。
◎: マシンガンのように話したてる、キレキレのロビン・ウィリアムズ。同年のアカデミー主演男優賞『ウォール街』のマイケル・ダグラスが霞むほど、本作のウィリアムズは太陽のような魅力を振り撒いている。彼のベスト・アクトは本作だと思う。
○: 現地のベトナム人との交流が愉快でいて、大変切ない。「アメリカの驕りと価値観の押し売り」が、戦争を産み出す。
▲: ロビン・ウィリアムズによるマシンガンDJは、字幕翻訳家泣かせ。そもそもアメリカ人と面白さのツボが異なる日本人では、決して爆笑出来ないのが残念だ。
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