オーウェン

グッドモーニング、ベトナムのオーウェンのレビュー・感想・評価

4.3
この映画は、ベトナム戦線の兵士に聞かせるラジオのディスクジョッキーのお話ですね。
とにかく、この映画は面白い、たまらなく面白いですね。

米軍の放送だから、検閲も厳しい。その間を縫って、新米のディスクジョッキーは、まあハチャメチャな語りで、兵士たちの心を捉えてしまう。

急激な人気の高まりで、米軍の首脳部は、彼を首にすることも出来ない。
いっそ危険きわまりない最前線へ放り出せば抹殺できると、彼を取材の名目で送り出すのだが----------。

鉄砲玉のように飛び出すブラックジョーク。米軍の検閲制度を徹底的にからかいながら、それでいて若き兵士たちに注ぐ、愛おしみの眼差しは、実に温かい。

激戦地で死んでいくであろう、幼さの残る兵士たち。
主人公の「グッドモーニング・ベトナム!!」という呼びかけの何と優しいことか。

主人公のディスクジョッキーに扮しているのは、ロビン・ウィリアムズ。
「ポパイ」を演じ、「ガープの世界」で、我々映画ファンを唸らせた彼である。

うまい、実にいい味を出す役者だ思う。
優しい笑顔の中に、軍の重圧や、不条理な戦争に対する憎しみが込められ、抜群にうまい役者だ。

友と信じたベトナムの青年が、北側の工作員だったことを知った時の彼の哀しみの表情が忘れられない。
なぜ手を取り合って生きていけないのか。

このロビン・ウィリアムズという稀代の役者を起用して、バリー・レビンソン監督は、心に残る名作を撮ったと思いますね。
オーウェン

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