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アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生のyuyuyuのレビュー・感想・評価

4.0
セレブリティーカメラマンと思ってたけど、やっぱり元は泥くさいロックとサブカルチャーの人で、なんと言うかほんと雑草のような強さがある。巨匠なんだけど、そう言うのもおこがましいというか。偉ぶるとかない。

ロックンローラーからセレブ、ファッション、政治から戦争まで撮るカメラマンはそうそういないのでは?行動範囲の広さがそのまま人柄になってると思う。

スーザンが恋人ってのは知ってて、彼女との晩年の写真は凄くいいな。スーザンの息子のインタビューで「母(スーザン)はいつもアニーを罵倒してて、もうそれが可哀想で別れればいいのに」と答えてるのがあるんだけど、多分アニーはそんな事どうでもいいんだよな。アニーがスーザンに凄く惹かれてるんだもん。

50過ぎて子供を持つのだけど、(どうやら代理母。で流石に双子は養子で)その双子の1人はスーザンって名前にしてて、ああ、愛してる人の名前をつけたんだな…と。

ファッションフォトの現場の様子はとても面白かった。「こんなにデコラティブなメイクと衣装を時間かけたのに10分で撮影終了よ!」とモデルが嘆いてたけど(笑)その一瞬なんだよな。バレエダンサーが宙を舞うのを写真は切り取ることしかできない。動きは表現できない。でもそれが良いとの事で。でもやはり残るのはやっぱり写真で。写真っていいよねって改めて思う。


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DVD別コメントページ
ジョンが裸でヨーコに抱きつくショット。
ヨーコが服脱ぎたくないって言ったのをアニーは少し怒ったそう。さらに編集部はヨーコを写すなとの指示だったがジョンがヨーコも映さないと意味ないと言った。との事で、結果として彼女はその場にいてあの時撮った事が良かったと思う。彼女の写真の良し悪しというより、彼女はそこに居ると言うのが、アニーの写真そのものな感じ。
反戦運動の時ブルーススプリングテーンを撮って「あなたは決定的な最高の写真を撮れたはずなのにそれを逃した。チャンスを失った」とデザイナーに酷評されるが、ジョンとヨーコの写真はその最高の瞬間を彼女はとらえたんだ。
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