けーはち

嵐を呼ぶドラゴンのけーはちのレビュー・感想・評価

嵐を呼ぶドラゴン(1972年製作の映画)
3.1
少林寺を焼いた清帝国に抵抗し反清復明を志す僧侶の武侠譚。全体的にオールドスクールなカンフーものでアクションはケレンがなくモッタリして主人公のキャラくらいしか特筆する点がないが、そこは存外個性的で興味深く見られた。邦題は例によって一つ覚え「〜ドラゴン」だが原題は「方世玉洪熙官」、英題は「Heroes Two」と伝説的少林英雄、方世玉・洪熙官というW主人公が押し出される。この両名、着物のカラーは白と黒、スタイルが鶴拳と虎拳、スピード型とパワー型、ヘラヘラ陽キャ白面の王子様とマジメ陰キャ色黒マッチョ、と全て好対照なのだが、2人に面識はなく、少林寺焼失後に抵抗していた洪熙官を暴漢と誤解した方世玉が捕らえて役人に引き渡す所から始まる。「君たち音に聞こえた英雄なのに互いに本人確認の手段はないの?」と呆れたポンコツぶりであるが、普段陽キャでヘラヘラした彼が失点を取り戻そうと必死に奮闘する姿、後の兄弟弟子愛を見せられると、憎めないのであった。