ming

Love Letterのmingのレビュー・感想・評価

Love Letter(1995年製作の映画)
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ノスタルジックな気分だったから、本当にタイミングが今だって思える作品だった

温かさがありながらもどこか寂しくて切ない
観終わった後に続く色んな感情が合わさった複雑な余韻も含めて岩井監督の作品が好きだなと思う。

無邪気な中学生の思い出から藤井樹を想像する。だけどその当時の彼は藤井樹のことを想っている彼であり渡辺博子を好きな彼ではない。その差異にもどかしさや切なさが残る。
今はない彼の姿を過去の彼から補おうとしていた。ずっと藤井樹という人物を追い求め続けた先で最後に山を見た時、少し怖くなった。私の脳内には中学生の彼の姿しかない。その間が一切描かれていないからこそ、ちょっと神格化していたというか、淡い思い出から急に現実になった感じ。

小樽の自然豊かな風景も中学生という時期も手紙もチェキも90年代の雰囲気も全部が最初に書いた温かさと寂しさと切なさに繋がっている気がする

見れて良かった

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ラブレターって博子からのを指していると想っていたけど、もっと多面的に捉えられるのか
わぁ、すごいな、すぐに主人公の女性にだけ感情移入する癖やめよう、もっと広く感情を共有したい

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生と死

なぜ樹だけではなく父親の死までも丁寧に描かれるのか、樹が風邪をこじらして父親と同じ状況にして描くのか、すこし本筋からは脱線しているようにも感じられるけど死は特別なものではない、いつ、誰の前にも平然と現れる、岩井監督の死との向き合い方なんだろうな
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