まだ紙の手紙でラブレターを書いていたころ。
不思議な間違いもあった。
図書館の貸出カードに名前を書くのも、いつなくなったのだろう。
インスタントカメラで撮影して、プリントされた写真を郵便で送る。
もちろんGoogleマップもないから、家を探すには、行ってみるしかない。
想い出で綴る初恋の人と婚約者。
なかなか届かない待ち時間が、気持ちを揺れ動かすドラマになる。
もしかしたら30年前よりも、いま観る方がロマンチックに思うのかもしれない。
今ならば、5分でこのやり取りが片づいてしまう。
こんなことは、もう映画でしか、お目にかかれない。
過ぎた時間は戻らないが、映像の中では、いつもあなたが見つめている。
だから、あの時の過去が美しい。
