1950年に公開された世界初のカラー宇宙映画だそうですが、これぞハードSFという見事な作品。製作は「宇宙戦争」のジョージ・パル。
"宇宙へ向けて旅立って、困難を経験しながらもなんとか地球に帰還する"系SFの元祖でしょうか。例えば「ゼロ・グラビティ」のような映画のお手本というべき脚本。適度にハラハラさせてきます。原作はロバート・A・ハインラインの「宇宙船ガリレオ号」。
素晴らしいのが造形物のデザインと撮影技法。宇宙船内のセットはもちろん、宇宙服やカラフルなカラーのセンスも光ります。宇宙船内からの月の景色を思いきって絵でそれっぽく見せているのも味わい深くて最高。また、カメラを90度回転させて撮ることによる無重力の演出が効果的。このあたりは「2001年宇宙の旅」の原型なのでしょうか。チープに感じる場面がありますが、そこが手づくりの感触を感じれて良い感じです。
セリフ回しもいちいち味があって、時代を感じさせます。ウッディー・ウッドペッカーのアニメによるロケット発射の解説もユニーク。とてもわかりやすい説明。笑 発射の際の船員の表情もやばいです。
2019年の今観ても刺激的な、色褪せない不朽のSF名作かと思います。