「月世界征服」
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原題：DESTINATION MOON
製作：アメリカ/1950年
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🎦あらすじ🎦
セイヤー将軍とカーグレイブス博士による米ロケット開発計画は、度重なる失敗により頓挫していた。事態打開のため将軍は実業家ジム・バーンズに協力を依頼。計画は民間企業体による月ロケット建造へと発展する。やがて原子力ロケット「ルナ」が完成。ジムをリーダーとする4人が月へと飛び立つ。4人は無事、月に到達し、地球へ帰還できるのか。
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🎦感想🎦
ステイホームとテレワークでいつもより時間が取れて、劇場で新作映画を観る機会が絶たれたということもあり、これを機に、自分の好きな映画のルーツのさらにそのルーツを辿ってみようと思い立ちました。
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手をつけたくてもつけていなかった映画って、皆さんも結構あると思いますが、何かテーマを決めて数珠つなぎで辿ってみると楽しいですよ。
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僕は、70〜80年代のSF映画に強く影響を受けた世代ですが、その前の50〜60年代の作品まではなかなかキャッチアップできてなくて。ということで、しばらくは、黎明期のSF映画作品の鑑賞録を挙げていきます。
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今回は「月世界征服」(DVD)です。
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「征服」というとやや物騒ですが、内容からして解せません。昔の邦題はこういうのが多いです。
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米NASAの設立が1958年。
ソ連のガガーリンによる史上初の有人宇宙飛行が1961年。
そして、米アポロ11号により人類が初めて月に到達したのが1969年。
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そんな米ソの宇宙開発競争が激化する前夜、まだ誰もが確固とした宇宙のビジョンを描ききれていない時代に製作されたこの作品。その当時の技術力からしても、よくぞここまで考え、見事に映像化したものだと心底感心してしまいました。
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ロケットの打ち上げにはじまり、宇宙から見える青く輝く地球であったり、ロケットで起きる予想だにしない幾多のトラブルであったり。1950年というときにどれだけ科学的/技術的検証が可能だったのか定かではないですが、未来の予見度合いに心震えました。幼年期に宇宙開発の歴史にはまったことがある僕はロマンを感じずにいられません。
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細かいことを言うと、地球を宇宙から初めて撮影したのは1946年のナチス開発のV2ロケットで、その写真はまだ青い地球と言えるものではなく、ガガーリンの「地球は青かった」発言もこの映画の後の話です。「地球の出」といわれる写真もアポロ8号ですから。なぜ青い地球を1950年の映画で描くことが出来たのか？メイキング映像をぜひ見てみたいです。
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仮に、全て想像だったとしてもそれはそれで素晴らしいイマジネーションだなと。宇宙時代の幕開け前に、人類が宇宙時代を描いた作品として、歴史的な価値があると思いました。実際、この映画と似たようなシーンが後の数多くの映画でも再現されていることを思うと、まさに宇宙SF映画の原点。アカデミー賞特殊効果賞を受賞したことも頷けます。無重力の見せ方なんかもカットをつないでうまいなあと思わず唸ってしまいました。
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細かいところを言ってしまえば、ツッコミどころ満載です。実際は、僕もニュースや映画から想像できる範囲でしかわかりませんけど、あまりに気軽に宇宙に行けてしまったり。打ち上げ時にGを感じるときの顔芸とか、ロケットでのドタバタシーンなんかは、ドリフのコントかよと思ってしまったり。でもチープの一言で済ませられない、魅力があります。実際何の苦もなく2回も鑑賞してしまいました。
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冒頭のクレジットが手前から奥に流れるところなんて、まさにスター・ウォーズのパクり、でなく、スター・ウォーズがパクりだったんですね。ジョージ・ルーカスもこの映画の洗礼を受けたのか？どうだったんでしょう。
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製作は、SF映画で多大な業績を遺したと言われるジョージ・パル。映画雑誌か何かで名前だけ知っていましたが、今回、初鑑賞でした。今回の数珠つなぎの一つのキーワードとして、ジョージ・パル作品をいくつか観る予定です。
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もう一人、クレジットで気になったのが、原作・脚本のロバート・A・ハインライン。SF界の長老といわれるSF作家の重鎮です。大好きな映画「スターシップ・トゥルーパーズ」の原作であり、ガンダムなど幾多の戦争ロボットアニメにも影響を与えたといわれる「宇宙の戦士」が有名でしょうか。細かなディテールはこの方に依るところが大きいかもしれません。
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長くなりました(汗)
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監督：アーヴィング・ピシェル
原作・脚本：ロバート・A・ハインライン
製作：ジョージ・パル
出演：
ジョン・アーチャー
トム・パワーズ
ワーナー・アンダーソン
ディック・ウェッソン
音楽：ライス・スティーブンス
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