オーウェン

狙撃者のオーウェンのレビュー・感想・評価

狙撃者(1971年製作の映画)
4.3
この映画のマイケル・ケインよりカッコいい人間は、この世に存在しない。
この「狙撃者」でケインが演じるのは、ロンドンの暗黒街に君臨する冷酷非情のギャングスター、ジャック・カーター。

突然の事故死を遂げた兄の葬儀に出席するため、故郷のニューカッスルへ帰って来たカーターは、兄を死に追いやった者たちを、一人づつ探し出しては始末していく。

黒のスーツとロングコートに身を固め、煤けた港町に屍の山を築いていく、復讐鬼カーターの非情な活躍は、安易なモラルとは無縁の痛快さに満ちている。

徹底したリアリズムの中に、簡潔かつ強烈なバイオレンス描写を盛り込み、冷たいユーモアとお色気も散りばめたマイク・ホッジス監督の演出には、惚れ惚れしてしまう。

そして、グルーヴィーとしか言いようのない、ロイ・バッドの音楽も絶品だ。
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