ShinMakita

ナイトホークスのShinMakitaのレビュー・感想・評価

ナイトホークス(1981年製作の映画)
1.7
年末…正体不明のテロリスト・ウルフガーがロンドンで爆弾テロを起こす。しかし顔写真がインターポールの手に渡ってしまい、ヨーロッパ脱出を余儀なくされる。

1月初旬…所轄署の囮専門刑事ディークと相棒フォックスは、政府が立ち上げた対テロ部隊ATACに出向を命じられた。なんでもウルフガーとかいう国際テロリストがアメリカに入国している可能性があるというのだが…





「ナイトホークス」


大人になってから「ナイトホークス」と聞いたら、エドワード・ホッパーの絵画を連想するようになったけど、子供の頃はこの映画しか思い浮かばないですよ。イヤってほどテレビの洋画劇場で放送してましたからね。しかしニューヨークのナイトシーンが多い本作、同じくNYを描いたホッパーの絵にタイトルはインスパイアされていると思います。

プロットだけなぞると、刑事とテロリストのタイマン勝負という陳腐な作品のように見えるけど、実はこの2人のキャラクターがジャンル映画にしては奥深いのが特徴。ウルフガーはイデオロギーとか宗教でテロを起こすのではなく、自分の腕を顧客に売り込むためNYでテロを起こすのです。テロリストというよりビジネスマンなんですよ。私怨でディークを狙うのではなく、リスクヘッジのために狙うんですよね。確かにハウアーは悪役顔だけど、冷たさの中に知性があるのが、この役に合っています。
スタローン演じるディークは、ベトナムでの戦歴を買われて対テロチームに編入された刑事。となるとさぞやタフな奴かと思いきや、ベトナムで殺しまくった過去があるからこそ、発砲に消極的というキャラクター。ある意味ベトナム後遺症なので、この役はランボーと通じるものがありますね。

これをテレビで見た当時は「マックQ」なんて映画を知らないから、ハウアーがロープウェイで振り回す銃が気になって仕方なかったなぁ。イングラムMAC 10ですね。テロリスト映画御用達なSMGで、モデルガンが欲しくなりました。

スタローンとハウアー、どちらも相棒が出てきますが、その2人にも要注目。刑事フォックスは、スターウォーズのランド役でお馴染みのビリー・ディー・ウィリアムズ。女テロリスト役は、みんな大好き「メガフォース」のパーシス・カンバッタでした。音楽はシンセ映画音楽の先駆けキース・エマーソンなんだけど、舞台とプロットから、ここはjazzっぽい人…シフリンかグルーシンあたりに任せるべきだった気も。


余談…
スタローンがいきなり女装して登場し、それが終盤に生きてくるんだけど、「デッドフォール」でラッセルに女装させたのはこの映画の影響ではと思ってます。
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