『フレンチ・コネクション』をグレードアップさせようと、細胞をあれこれいじくってたら、最後に雑菌が混ざって培養に失敗したような仕上がり。
でも、これはこれで悪くないしキライじゃない。タイトルバックのいかにも70年代刑事モノのファンクな音楽にテンション上がり、いかにも70年代刑事モノな薄汚く危険な香り漂うNYの街並や手触りに震え、いかにも70年代刑事モノなアナログ捜査の無双っぷりに心躍る。
UKから来た上司ほか、脇の配役の顔つきから発音にに至るまで、味わい深さがたまらない。まだそんなにプロテインや化学調味料が使われていない頃のスタローンも案外いいんだ、これが。セルピコな髭面も。
レプリカントにされてオリオン座近くのタンホイザー・ゲートに送られる前のルトガー・ハウワーは、佇まいからして雰囲気抜群なのに、行動に隙がありすぎてアホ過ぎるのが難点。ここが雑菌。
主人公の背景やらトラウマについて、同情を引かせようとする「枷」の説明がないのも好みなんだけど、さすがに冒頭が伏線になっていたというオチにはズッコケた。