みとも

魍魎の匣のみとものレビュー・感想・評価

魍魎の匣(2007年製作の映画)
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 荒唐無稽で陳腐な原作が映画化によって面白くなる場合と、荒唐無稽だけど面白い原作を映画化したら陳腐になってしまう場合がある。残念ながら本作は圧倒的後者。原作関係なくまずゴチャゴチャしていてどういう話なのか分からない。研究所の外観はちょっと良かったけど、中国ロケを行った街並みはざっくり「昔」なだけで、一応舞台は都内のはずなのに地理的な位置関係が分からない。衣装や美術、小道具もいかにも作り物っぽい。編集は無駄に忙しなく、音楽のタイミングも悪いので死体が出てきても全く驚かない。バラバラ殺人や戦時中の人体実験と狂気的科学者、すごい気持ちの悪い血縁の話とかなのに恐怖や緊張感が全然ない。早口おどけ演出、真剣に作ってんの?って疑いたくなる。クドカンは何か可哀想。人様の仕事を悪く言いたくはないがこんな駄目な映画を見たのは久々だった。
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