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昭和残侠伝 人斬り唐獅子のbluetokyoのレビュー・感想・評価

昭和残侠伝 人斬り唐獅子(1969年製作の映画)
3.4
ここに来て、原点回帰というか、いぶし銀の仕上がり。あんまり器用なことは出来ないのかもしれないけど。任侠映画の王道みたいな作品だ。
舞台は玉ノ井だ。ぬけられます、と出ている。ただ、ほとんど、売春街の話ネタは出てこない。

簡単にあらすじ。
花田秀次郎が、7年ぶりに帰ってきた。とりあえず、兄弟分の風間重吉が代貸になっている、東雲組の客分になる。
地元は、東雲組と皆川組が争っている。
東雲組が押しているようだが、実は裏があって、皆川組の縄張りの玉の井の娼婦が欲しいのである。
東雲組のバックには、売春斡旋業の山村がいて、娼婦を慰安婦として、満州や中国に送り込んでいるのである。

そんな中、皆川組の組長の息子、皆川誠吾が単身で殴り込みを掛けるが失敗。客分、花田秀次郎の顔を立てて、誠吾は助かるが、義理として、皆川組の組長を切らなければならなくなる。

秀次郎は皆川を切って、上野剣組の剣持に後のことを託し、姿を消した。

剣持が取り仕切って、皆川組の皆川と東雲組の下河原が顔を合わせて手打ちとなった。
その直後、皆川は、秀次郎に切られた傷によって亡くなった。

一年後、秀次郎が帰って来る。剣持の取り成しによって、秀次郎と皆川組の間では、秀次郎が皆川を切り殺したことは水に流す。

一方、東雲組は、手打ちになったのに、相変わらず、玉ノ井に勢力を伸ばしてくる。言うことをきかない遊郭に爆弾を投げ込んだりする。
皆川誠吾は、再び殴り込みをかけるが、また失敗。殺されかかるが、秀次郎と剣持によって助け出される。

ついに、堪忍袋の緒が切れた剣持は、東雲組に果たし状を送り付ける。

東雲組に名代がやってきて、果たし状を渡すが、下河原は、なにが果たし状だ、まずは、こいつを殺せと言って、名代を刺し殺そうとする。
ついに、風間重吉も堪忍袋の緒が切れて、東雲組を見限った。名代を助けて、東雲組の事務所を出てしまった。

東雲組は、上野剣組の事務所を不意打ちで急襲する。マシンガンと拳銃で襲撃する。
剣持は撃ち殺される。

ついに、秀次郎も堪忍袋の緒が切れた。

東雲組の事務所に殴り込みを掛ける。途中で、風間重吉も加わる。

下河原と山村を切り殺す。

練られた筋運びは終幕へと着地していくわけだ。風間重吉は切られて負傷し、もうダメだ、みたいな感じ。
秀次郎は、死ぬときも一緒じゃあないのか、と励ます。

二人で引き上げるその背中は、なんとなく侘しい。
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