ゴン吉

昭和残侠伝 人斬り唐獅子のゴン吉のレビュー・感想・評価

昭和残侠伝 人斬り唐獅子(1969年製作の映画)
3.9
高倉健主演、池部良共演の任侠シリーズ「昭和残侠伝」の第六弾。
山下耕作が監督を務め、片岡千恵蔵、小山明子、大木実、長谷川明男、小林稔侍らが共演。  

昭和のはじめの遊廓”玉の井”が舞台。花田秀次郎(高倉健)は、服役を終えて七年ぶりに浅草に戻ってくると、兄弟分の風間重吉(池部良)が代貸を勤めている東雲組に草鞋を脱いで世話になる。東雲組は皆川組と遊廓”玉の井”で縄張り争いにより対立していた…  

高倉健演じる花田が草鞋を脱いだ東雲組を中心にストーリーが進むのかと思いきや、世話になった東雲組とは縁を切って対立組織に寝返るのが任侠らしくない。
そして小心者にもかかわらず威勢だけはある対立組織の皆川組・組長の息子に、花田は目をかける。
皆川組の組長はバカ息子のせいで花田に殺される羽目になり、息子はワンコに八つ当たりして銃殺するなどどうしようもない。
シリーズでは珍しく機関銃が登場するなど、何でもありの展開で、高倉健演じる花田は漢気を見せるものの、対立組織のバカ息子に肩を持つなど任侠としては筋が通らないストーリーが残念。
とは言え、シリーズ恒例の終盤での渋い高倉健と貫禄の池部良の兄弟分による二人の殴り込みでは力が入る。
池部良による拳銃の援護の下で、高倉健が背中に描かれた唐獅子牡丹の刺青を露わに大立ち回りを魅せてくれる。
「生まれた時は別々だが 死ぬ時は一緒なの おめえだけだ」
「死んで貰うぜ」  

2024.1 BS12で鑑賞
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