【一言で言うと】
「“蛇行”する自己証明」
[あらすじ]
貧しい大学生ミシェルは、ふとしたきっかけで、自分にスリの才能があることを発見する。一度は刑事に捕まったものの、証拠不十分で釈放されるや、再…
法を犯すということとは?そもそもその法律とやらは恣意的で不定のものでは?
という手前勝手な理屈をこねて他人のポケットから財布をスリまくる。この滑らかすぎる連携プレーを映す撮影と編集がまあ素晴らしい。…
このレビューはネタバレを含みます
『罪と罰』を可能な限りでミニマルにした映画。罪の小ささも込みで……。
手を映す作品は、なぜ魅力的なのだろう。
観る者に思考の余白が与えられる心地よさがあるからか。
それこそがミニマリズムなのかもし…
ブレッソンの「見方」が最近わかってきて、やっと面白く思えてきた。絵面でミニマルにしようとするのではなく、全体の構造自体、例えば削ぎ落とされたセリフ、装飾、説明のない登場人物など、リアリティの中でのミ…
>>続きを読む号泣してしまった。これは俺だ。ミシェルは俺だ。間違いだらけの道をでたらめに走った。転んで怪我をした。服は汚れ穴が空いていた。生きる目的と手段がすり替わってしまっていた。触れ合ったあとに初めて孤独を知…
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