手先の器用なミシェル（マルタン・ラサール）はスリを覚え、友人ジャック（ピエール・レーマリ）や病気の母を世話してくれるジャンヌ（マリカ・グリーン）の心配をよそに、犯罪にはまり込む。やがて仲間が逮捕され逃亡したミシェルは、2年後にジャンヌの元に戻ってくる。
ロベール・ブレッソン監督らしい、やたらシュールでリアルな映像が魅力だ。
序盤の地下鉄でのスリなんか怪しすぎて、そりゃバレるだろと思ったけど、後半は見事なスリのテクニックが連発する。
一方で、ストーリーは説明がなさ過ぎて、なかなかついていくのが難しいし、出演者たちの動きはリアルというよりも素人演技。
ミシェルはスリルに憑りつかれて、正当化するムチャな理屈を語るんだけど、病気の母親に顔を見せられないほどの罪悪感があったんじゃないだろうか。
そして、すべてはジャンヌへの愛を自覚するために必要な過程だったって、うーん、なんかオチに無理がある気が…
「抵抗（レジスタンス）死刑囚の手記より」の方が断然好きだったなー。
プロのスリは指の柔軟体操して、ピンボールで反射神経を鍛えるってマジ！？
