このレビューはネタバレを含みます
ビジネスとスポーツは共通するところが多いと感じることがあるが、この作品の題材はまさにその二つが一つになっている、メジャーリーグ球団のマネジメント。
以前レビュー書いたけれど忘れないよう、自身への戒めも込めて今一度。
オークランド・アスレチックスという貧乏球団のジェネラル・マネジャーを務めるビリー・ビーン。
投打走守のみならず、選手のルックス、私生活、人気等々を総合的に評価して、長年の経験と直感からリクルートする選手を選ぶスカウトマンの存在。
そして引く手数多の選手には法外な契約金が生じ。。
潤沢な資金を持つ球団と同じ手法を使っても状況を打開できるにべもなく。。
そんな折、選手獲得の交渉のため訪れたクリーヴランド・インディアンズでビリー・ビーンはピーター・ブランドという若者と出会う。
”球団はカネを「選手」を買うために使うべきでなく、「勝利」を買うために使うべきである。
「勝利」するには「得点」が必要である。
得点を取れるかどうかに選手のルックスや、人気は関係あるだろうか。”
統計という客観的な手法の重要性を訴えるピーターを引き抜き、選手のパフォーマンスを客観的に評価する「セイバーメトリクス」を新しく導入するビリー・ビーン。
今までの慣習に風穴を開けるような方向転換に、周囲のベテランスカウトマンや監督は猛反発。
新しい手法により他球団が気にも留めない可能性ある選手を安く獲得。
結果、強豪ニューヨーク・ヤンキースは一勝するのに120万ドルを費やしたが、オークランド・アスレチックスは一勝あたり26万ドルで同じ勝ち数。
周囲の反発を受けながら、骨の折れる努力と勇気ある行動の先に待っていたのは前人未到の連勝大記録と業界を変えるイノベーション。
ピーター・ブランドが人気のない駐車場でビリー・ビーンに熱弁するシーンと、ボストン・レッドソックスのオーナーがGMに対するスポーツ史上最高額のオファーをする時にビリー・ビーンに変化の重要性を語っているシーンがとてもシビれる。
外資系にいるといろいろ頷ける。
この作品も何度でも観れる。
就職してから会社は変われど、職種は一筋で過ごした二十代。
キャリアに少しの彩りを持とうと、今月初めてマーケティング寄りの部署に異動。
どうなるかわからないけれど、変化に対応できるスタミナをつけないと。