健多郎

真田幸村の謀略の健多郎のレビュー・感想・評価

真田幸村の謀略(1979年製作の映画)
3.0
幸村の謀略が特に炸裂しないはなし

古から人気の題材である真田vs徳川の物語を、松方弘樹、あおい輝彦、丹波哲郎、真田広之、萬屋錦之介ら超豪華俳優陣と8億円もの制作費を使って作り上げたカルト時代劇
タイトル通り真面目に謀略を張り巡らせたいのか、合戦モノとして見せたいのか、それともアレンジしまくった真田十勇士を堪能させたいのか…作品の焦点が全く定まっていないのが悲しい
どうやら本作の16年前に制作されたハイテンションミュージカル時代劇「真田風雲録」の奇抜さに対抗しようとした結果がこの有様らしいです
だからって冒頭の隕石のシーンなんて絵面は丸パクリだしやり過ぎだと思いますが
(ちなみに真田風雲録は早すぎた名作としてオススメ!ただし超怪作なので人を選びますが)

個人的には独特過ぎる真田十勇士の掘り下げをもっとちゃんとしていればもっと楽しめたんじゃないかなぁと
手始めに真田幸村は隻眼です、えっと…幸村(信繁)に隻眼イメージって全く無いんですが…
そして三好伊三入道と三好清海入道の兄弟は朝鮮人、しかも三好清海入道はキリシタンの朝鮮人女性であるジュリアおたあと同一視!
さらに猿飛佐助に至ってはエ○リアンって設定ですからね
もうこの設定だけで一本のトンデモ映画が作れそうなもんなのに、実にもったいない…という印象を強く受ける作品でした
まあ幸村が家康を追い詰めるシーンからラストシーンまでの一連の流れは鳥肌が立つほどカオスで声出して笑うくらい良かったんですけども

とりあえず加藤清正(丹波哲郎)が虎(本物)のいる檻へ生肉片手に入っていくシーンが一番おもしろかった
おもしろかったというか、ヒヤヒヤした
たぶんあのシーン、合成とかじゃなくマジで虎と丹波哲郎と生肉を同じ空間に入れてるよ…!
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