レ

アレクセイと泉のレのレビュー・感想・評価

アレクセイと泉(2002年製作の映画)
3.5
監督のトークショー付きで鑑賞。

チェルノブイリの原発事故によって被爆したとある村。あらゆる場所が放射能で汚染されるが、生活の拠り所である泉からは放射能がまったく検出されない。事故から10年以上が経つなか、未だ泉を頼りにして生活を続ける村人たちを追ったドキュメンタリー。

という紹介が可能な映画なのだが、登壇した監督によって上映された、2017年の現地映像を抜きには語れない作品という気がした。高齢化が進んだため、助け合って生活していた村人たちはみな姿を消し、活き活きと描かれていた村は廃墟と化している。そして、カメラが本橋成一ではなくスタッフの手に渡ることで、映画の製作時はいかに画面に魔法がかけられ、何でもない場所を美しく撮ることができていたかが分かってしまう。
ウクライナと同じく原発事故を経たこの国で、この映画が上映される意味。打ち棄てられた神聖な泉から、自分たちは何を読み取るべきなのか。
レ