ぽんぽこぽん

コマンドーのぽんぽこぽんのレビュー・感想・評価

コマンドー(1985年製作の映画)
5.0
恐らく人生で初めて観た映画にして、映画というものの概念を決定づけた作品。

物心がつくかつかないかの時に家で録画されたビデオを観たのが、「映画」というものとの出会いでした。そして、その時に観たのが映画解説家の淀川長治先生がやたらとシュワちゃんの筋肉を絶賛する解説込みで録画された本作か、ジャッキーチェンの実写版「シティーハンター」です。記憶が定かではないので、どちらかは永遠にはっきりしませんが、この二択ならコマンドーの方であってくれと思っています(笑)

腕っぷしの強い主人公が立ちはだかる悪党を千切っては投げて、大爆発と共に巨悪を倒す、というのが映画であると刷り込まれてしまいました。
未だに主人公が負けたり、何も成し遂げられないようなバッドエンドの映画を基本的に認められないのは、完全にこの時の刷り込みのせいです。
確かにそんな終わり方でも面白い映画はありますが、どこかで映画とはコマンドーのようにあるべしと考えている自分がいるので、手放しで称賛することはないです。

内容自体は典型的な荒唐無稽な80年代アクションですが、全盛期のシュワちゃんの筋肉と伝説的な吹替えで後世に語り継がれる名作となった映画です。
特に吹替えについては、あの「筋肉モリモリマッチョマンの変態だ」に代表される様々な伝説的なセリフを生み出したのが最大の功績でしょう。もう全てのセリフがミームと化していると言っても過言ではありません。

そして、やはりシュワちゃんの筋肉。筋肉が全てを解決する。そして、淀川長治先生がシュワちゃんを讃えていたのは、恐らく違う視点から見ていたから、ということを知るのは別の話。

TVで放映される機会が無くなり、アクション映画好きでもZ世代になると本作は知らないと言われるようになってしまいましたが、もうアクション映画の全てや吹替えの妙技が詰まった、古典として後世に伝えていくべき映画だと思います。
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