たくさんの猫たちとともに暮らし、その猫を寂しさを抱えた人に貸しだすことで気持ちを癒してもらおうとする女性が主人公。
「心の穴ボコ埋めてください」のせりふには『笑ゥせぇるすまん』を連想させるものがあるが、あちらのような人の醜悪さを穿ったところはなく、穏やかに展開していく。お客さんとのやりとりはどこか間の抜けた感じの真摯さが微笑ましく、同じようなやりとりがくり返されるのもおかしみがあってよい。
画面に登場する猫たちはもとより主演の市川実日子もかわいらしく、ゆったりのんびりした雰囲気に浸れ、安らかな気持ちにさせてくれる。
