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実相寺昭雄監督作品 ウルトラマンのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.8
『ウルトラマン』のTVシリーズにおける、科学特捜隊と人類と怪獣が向き合う神回的な話を編集した神回映画。

ベムラー、レッドキング、バルタン星人やゴモラの回のようなウルトラマンの死闘メインの話ではないところがこの作品の魅力。

ガバドン、テレスドン、スカイドン、ジャミラ、シーボーズ。

子供の落書きが本当の怪獣になってしまうガバドン。
地底人が反旗を翻し、ハヤタを拉致してウルトラマンまでも操って地上に牙剥くテレスドン。
あまりの重さにウルトラマンすら宇宙に運べず、科学特捜隊があの手この手で宇宙に送り返すユーモア溢れる作戦の応酬のスカイドン。

本当は怪獣ではない宇宙に夢見る人類が生み出してしまった悲しみの怪獣ジャミラ。
宇宙墓場で安息の時を過ごしてたはずが地球に落下してしまって墓場に戻りたいシーボーズ。

どれもこれも、ただただ悪や侵略から地球を守りたい話とは一風変わった実相寺昭雄の演出した話にフォーカスした話の編集版。

浦野光のナレーション、これ聞くとウルトラマンを観た気になる最高の声と語り草。

村松隊長、アラシ、イデ、フジ、ハヤタ。
この科学特捜隊の試行錯誤と一喜一憂が本当に素敵なウルトラマンシリーズ。

ただただウルトラマンの超人的なパワーに圧倒されるだけではなく、ウルトラマンがいようといまいと人類のことを思い、自分達にしかできないことを、皆で協力して常に前を向いて進む。

不可能と思われても、何度失敗しても、諦めずに怪獣や説明のつかないことに挑む。その彼らの活動がとてもカッコ良い。

だから、これを観ると、初代ウルトラマンはウルトラマンが主役というより、彼ら地球人の思いと活躍にウルトラマンがそっと手を貸すような温かみを感じる。

円谷英二と実相寺昭雄。
科学で説明できないことを科学特捜隊なる科学の最先端のチームが、光の国からやってきた我らのウルトラマンと共に乗り越える。

時にアイデアで、時に力で、時に技術で、時に哀愁と時に悲しみと共に、、、。

これぞ真髄。
科学特捜隊とウルトラマン、永遠なれ。


F:1676
M:179
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