ガブXスカイウォーカー

実相寺昭雄監督作品 ウルトラマンのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

3.7
時は1979年、『スター・ウォーズ』による世界的SFブームの影響なのか、周期的なものなのか、日本は第三次怪獣ブームでもあった。
当然、ウルトラシリーズもブームとなり、映画が製作されることになった。ただし新作ではなく、TVエピソードの編集版だったけど。
普通ならバルタン星人、レッドキング、ゴモラのエピソードを持ってくるのだが、それはすでに『長編怪獣映画 ウルトラマン』(ベムラー、レッドキング、ゴモラなどが登場)でやっていたためか、なんと変化球の佐々木守脚本、実相寺昭雄監督作品をセレクトしてきた。
スゲー! 
佐々木・実相寺コンビの作品は怪獣はシーボーズ、ジャミラ、スカイドンなど個性的で人気者ばかりだし、テーマもドラマもコメディタッチだったり、やたらハードだったりと子供心にもガンガン訴えてくるものがあるので、これはこれで正解だったと思う(なぜか今回はガマクジラのエピソードだけは抜かされた)。今作を観て、ウルトラマンがただ悪い怪獣と戦うだけでなく、社会的テーマも扱っていることに気づいた者もいるんじゃないだろうか? ぜひ初心者にもお薦めしたい逸品揃いの1本だ。

なおわずか4ヵ月後にバルタン星人、ネロンガ、レッドキングなど正当怪獣たちのエピソードをチョイスし、さらにウルトラファミリー大集合シーンなどを追加撮影した『ウルトラマン怪獣大決戦』を公開したのもまた正解であろう。