見始めて退屈かも？と思ったがそんなことはなく。
面白かったし、なかなか興味深い映画だった。ストーリーも演出も。
美術や絵画に造詣の深いピーター・グリナウェイ監督が、マーティン・フリーマン主演で画家レンブラントの名画「夜警」(「フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ライテンブルフ副隊長の市民隊」)と彼の人生の転落の影には何があったのか？を描くほんのりミステリー混じりのドラマ。
舞台劇と映画のハイブリッドのような演出、映し出される映像がまるでレンブラント絵画のよう。
レンブラントの人となりや謎の多い生涯は脚色して映画化もしたくなるだろうな。
この映画もそういう意味で大変興味深い。史実(と言われていること)をちゃんと盛り込みつつ、フィクションでレンブラントの半生を語る。
ざっくりレンブラントがどんな人だったか頭に入れておくといいかも。
粉引きの息子として育ち、才能が開花してからは浪費や女性関係もやんちゃどころではなかったようだが、彼の作風は光と影の魔術師と言われるくらい印象的な明暗をつけたものが多い。その作風の裏には彼の目にも秘密があるのでは？というのも一説としてあると聞いたことがある。そのあたりの描き方や「夜警」を描くに至る周囲の政治的な思惑、レンブラントに関わる女性たちとの関係も見もの。
絵画にまつわるミステリーという触れ込み、確かにそうかもしれないが、どちらかというとフィクションとして描いたレンブラントの半生という感じ。
マーティン・フリーマンは全裸シーンもセックスシーンも何度かあり、体張った演技でレンブラントを演じてた。
こういうの観ると名画を見る目が変わってくるね。
