喜連川風連

12モンキーズの喜連川風連のレビュー・感想・評価

12モンキーズ(1995年製作の映画)
4.5
断片的な情報だけ与えて観ている人の想像力をかきたて、最後の秀逸なオチで落とす。

・テレビに映ってるもの。
・人物の発言。
一見無意味そうなものが、全て物語につながっている。

主人公は結局、細菌テロを防ぎ、人類を地上に戻すために過去へいったのではなく、細菌テロを未来から誘導するための役割を担わされていたのだ。

一回目で、主犯格に人類滅亡方法を教え
二回目で、細菌会社の警備体制を変えさせ
三回目で、細菌の輸送の手助けをしてしまう。

最後の飛行機のシーンでこれまでのことが人類を助けるのではなく、保険会社の利権と絡んだタイムトラベルだったということがわかる。

全てが仕組まれ、どこが現実で、どこが現在かが曖昧となる主人公。

未来を変えるために行ったはずが、未来を維持するためのタイムトラベルだったというパラドックス。面白い!

そしてエンディング曲は邦題"素晴らしき世界"である。

最高にクソみたいな素晴らしい映画だ。
喜連川風連

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