Arts0001

12モンキーズのArts0001のレビュー・感想・評価

12モンキーズ(1995年製作の映画)
4.0

どこまでも引き込まれる不思議な映画

人類が滅亡的ダメージを受けた後の世界から、タイムスリップしてその原因を探ろうと囚人を送り込むところから物語は始まります。

最初はやや難解に感じますが、タイムスリップを生かして、伏線やミスリードを散りばめていくのが今作の面白いところ。

主人公のブルースウィリスは、バラバラの年代に飛ばされます。その先で会う人物や起こった事柄が冒頭で滅亡の手がかりとして示されており、だんだんと自信や一緒に行動する人物が、未来に手がかりを残して行ったことを知ります。

ある日突然現れた人が終末論を唱えていればどうなるか?精神科にぶち込まれる。そこで出会った精神科医の女性と最初は患者と医者の関係。次に誘拐犯と被害者の関係になり、最後は愛し合う中まで発展する。

2時間で人間関係がここまで変化する様は映画的で良かった。

タイムパラドックスを生かした脚本の面白さに人物の心の揺れがミックスされ、なにが嘘でなにが真実なのか、この不思議さが面白く感じる作品です。

最後の展開が読めるという意見もあるかもしれませんが、これって最初からエンディングは決まっているという物悲しさや無力感を明示していたんじゃないかな?と感じてしまいます。

どこか不思議な展開と音楽。救いのないラストから、あのエンディングテーマが流れてくると「映画見たな」という感慨が湧いてくるお勧めの一本です。
Arts0001

Arts0001