ダイナ

12モンキーズのダイナのレビュー・感想・評価

12モンキーズ(1995年製作の映画)
3.6
ジャンルはSFサスペンス。ブルース・ウィリス演じるコールという男が、世界が荒廃した原因となった細菌を消去すべく動く謎の団体に命じられ、過去にタイムスリップし細菌の特定、また細菌をばら撒いたテログループ「12モンキーズ」について手がかりを掴むべく奔走する。

主役は上記のコールという男であるが、ブラッド・ピットが演じるジェフリー・ゴインズの存在は映画内においてかなり印象強い。表情豊かではあるものの、心の奥底は何を考えているか分からないような男もこの映画の魅力の一つと言える。

オープニングでは不思議や不安という印象の耳に残るテーマが流れる。このテーマは作中でも全体的に多く使われていて、「ちょっと多用しすぎじゃないか?」と思ったらショート版を流してきたりと変化球で聞かせてくるもんだから嫌でも頭に残る。

現代の設定は2035年。細菌により荒廃した世界では人々が地下に追いやられ、地上では動物たちが闊歩している。この世界観はとても魅力的だが、荒廃した世界で云々という話ではなく過去に戻って悲劇を食い止めるという話なので、時間逆行先である90年代の現実的な世界が大方の舞台となる。そういう話だからしょうがないが個人的には荒廃世界の描写をもうちょっと見たかった。

本作は序盤から細部に渡り伏線が張られており、それらは中盤から回収され始める。が、回収されない伏線・謎(というか只のブラフ?)もいくつかある。話の大筋については理解できる範疇に情報を提示してくれるので、全く理解できない難解な映画という印象にはならないと思われるが、いくつかの気になる点は各々の予想で補う必要がありそう。主役含め登場人物の背景、各人が行動に至った理由・目的、謎の人物、造語等々違和感が尾を引くことは必至。制作側がどこまで意識しているかは分からないが、考察好きです!とことん謎に付き合えます!って人にはオススメできる作品。
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