地べた飯喰三郎

メルシィ!人生の地べた飯喰三郎のネタバレレビュー・内容・結末

メルシィ!人生(2000年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

会社でも私生活でも存在感のない 冴えないおじさんが、ある日 偶然会社から解雇されそうになっている事を知る。
それで人生 嫌になってアパートの自室から飛び降り自殺を図ってると それを偶然目にした隣部屋の老人に諭され 会社をクビにならない方法を教えてやると言われる。その方法は【会社の社長に主人公はゲイであると匿名の密告写真】を送りつける事だった。

そんなタイミングでクビにしたら
会社は社会的に批判受けますからね。
公開年が2000年だから、約20年前にはフランスではセクシャルマイノリティの方々に対する人権擁護の風潮があったんだと発見。


この作品の面白いと思うところは
主人公自身が変わっていく事で、他の登場人物と主人公の関係性が変化してくところです。
アンジャッシュのコントみたいに。
以下 メインの登場人物はこんな感じ▼

主人公のおじさん
→ 誰からも相手にされてない普通のおじさん。
自己主張できない。
いまだに元妻が忘れられない。
人事部長
→マッチョニズムで差別主義者のおじさん。
社内ラグビーの指導者でもあり、
主人公の事が嫌い。
主人公の女上司
→6年一緒に働いてるけど主人公の事は
何とも思わないし興味がない。理知的。
匿名写真は偽物ではと疑ってる。
元妻
→主人公とは2年前に離婚した。美人。
結婚した動機は自身の失恋を主人公に慰められ
ている内に何となく。離婚理由は主人公と
いてもツマラないから?もしくは元妻の浮気
主人公の息子
→父親に興味がない。高校生くらい?
ファッションはパンク系か。
隣部屋の老人
→主人公の自殺未遂の日の数日前?に越して来た
独身の老人。この騒動の元凶の人。

主人公は多分それまで冗談ひとつも言わず、地道に働いてきた普通の人なんでしょう。人生においても冒険をした事のなさそうな。ゆえに 周りの人間からすると空気みたいな存在になってしまってるんですが、それが自身で初めて暴走した事で
変化していくという 世界仰天ニュースでとりあげられそうなコメディ映画でした。


個人的にはもうちょっと隣部屋の老人について掘り下げないのかなーと思いました。この人が主人公に偽りのゲイ告白を持ちかける人なんですが、
なぜそんな提案をしたかというと 彼自身が20年前にゲイである事を会社に知られてしまい解雇された過去があり、時代が変わっただけで 全く同じ理由でひと昔はクビになるのに 現在ではそうはならない事へのある種の復讐心のためらしい。結構 作品のテーマの根幹に関わる人物なようなのに いうほど物語に関わらないのでもう少し見てみたかった気がします。
、、、まぁ間延びするだけかもしれないので要らないかもしれませんが。


たまたまU-NEXTで配信期限が切れそうだったので観てみたのですが 結構良かったです。
地べた飯喰三郎

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