LEO

ULTRAMANのLEOのレビュー・感想・評価

ULTRAMAN(2004年製作の映画)
2.4
そういやこれも観てたなぁという過去鑑賞レビュー。

テレビシリーズの初代ウルトラマン第1話での出来事が現実に起こったら?という形でリメイクされた作品。
防衛庁の全面協力を受けてF-15なんかの離陸シーンとかは本物を使ってることで話題になった気がする。

元々は「想像を超えた謎の力(光の力)を手にした青年が不条理な戦いの中で暴力的衝動から脱し、正義に目覚めていく」物語(from Wiki)を作りたかったんだそうだけど、いつも感じるのは「日本でこういうヒーロー作品をリアルに作ろうとするとしっくり来ない」ということ。

多分、日本人俳優の演技力が足りないのもあるし、俳優・スタッフを含めた関係者にオリジナルの作品を本当に好きで理解している人が少ないからじゃないだろうか?
マーベル・ヒーローズは“特殊能力を持った人間”が多いから、ヒーロー達が人間として悩むことにも街中で普通に暮らすのもしっくりくる。
ソーのような人間じゃない者にはそれに合った世界を用意してる。
ウルトラマンはもともと人間じゃない。
ウルトラマンに変身する元F15戦闘機パイロットの主人公の息子が難病であるという設定が必要か?
まぁ入れてもいいけど、「不条理な戦いの中で暴力的衝動から脱し、正義に目覚めていく」って言ったって正義は立場によって違う。
そういう部分を置き去りにしておいて“正義”だけ子供番組と同じ絶対定義として変わらないのに、大人の人間として悩めばギクシャクして来るわなぁ。

だから自分はこの手の作品を「重箱の隅をつつくような細かい部分だけを見て全体に目を向けず、“こういう所をリアルにすればカッコイイんじゃない?”ってことだけ言ってる“ガキ親父”が作った作品」と何度もレビューで書いてきた。
意欲的な作品という事は認めるが、残念ながら本作もその域を出ていないと感じる。

「シン・ウルトラマン」がパーフェクトだったとは決して思っていないが、ウルトラマンが大好きで大好きでたまらない庵野監督はちゃんとその点のバランスが分かっているんだよなぁ。
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