るる

チャーリー・ウィルソンズ・ウォーのるるのネタバレレビュー・内容・結末

2.8

このレビューはネタバレを含みます

ソーシャルネットワークで評価される前のアーロン・ソーキン脚本を見てみたくて。

会話というかちょっとした小話やジョークからは彼らしさを感じたが、
演出って大事…どうでもいい話はサラッと流していいのに、もう一瞬、間を詰めるだけでいいのに…緊張感が足りない…などと思いながら。

米国の良心トムハンクスじゃなきゃ成立しないなと思ったけど、もっとギラギラ金に女にがめついおっさんが難民キャンプ訪問を契機に胆力を発揮し始める姿を見たかった気もする。軽薄さは良かったが優しすぎた。大富豪役のジュリアロバーツが良くも悪くも脂ぎっててインパクト強すぎた。実話だしモデルがいるしそんなもんかしら。

時代背景以前に演出から80年代、90年代っぽさを感じつつ。製作年は2007年、ビンラディン暗殺前。

予算集まらなかったのかな…米国がビンラディンを生んだのだという自省の映画。アフガンのシーンは記録映像のように見せてるが爆撃のCGは陳腐、ヘリを撃ち落として喜ぶ住民らの様子もコメディのよう。

あの共産主義憎しはどこからきてるかと思う、正義の名の下に自国の論理を振りかざして他国に介入する米国の戦争のやり方は受け入れられないが911以降、リベラルによる自省が国内できちんと評価された上で他国にまでその様子が届いてるあたり、裾野の広い国だよなと思う。2009年にオバマ大統領を生んだ国でもあるんだよなあ。

極秘戦争の資金集めが肝の、本来なら会議と説得がメインの映画のはずだけれど、戦争映画として派手な戦闘シーンを入れなきゃいけなかったんだなあ、という製作事情を察してしまった。

とはいえアーロン・ソーキンの政治スタンスが変わってないことを確認できて良かった。監督デビューもするらしいので今後に期待。
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