友二朗

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花の友二朗のレビュー・感想・評価

5.0
「さて、俺も旅に出るか」

シリーズ史上最高のラスト。
訳も分からず涙に溢れた。

男らしすぎる寅さん。
素敵すぎる愛の形。

今までのシリーズももちろん映画で劇場版だったけど、今作はなんだか「劇場版 男はつらいよ」であった。こんなにも喜怒哀楽、そして温かく人間らしく、泣いたり焦ったり、こんなにも弱った姿を見せるのは珍しい。

この気持ちはなんだろう。このなんとも言えぬ、込み上がる切なさと温かさはなんだろう。本気で神回を作りに来たんだなとヒシヒシ感じる。全国各地の若者へ、その背中を見せては別れ、寂しさを残し続ける寅さん。

5.0点を付けてしまったが、この安直さを許して欲しい。男はつらいよのファンとして、ここまで熱くなれる作品は他にない。ありがとう寅さん、ありがとうリリー。

いやーホントに笑顔可愛いなリリー。目がとんでもなく透き通って潤ってる。純粋で綺麗な目。

寅さんの優しさ、渋さが爆発。
珍しく男泣きする寅さん。

弱ったリリーに再会して感情が爆発する2人。からの1人フラフラする寅さん、表情を隠すリリー。フラフラ遊ぶ寅さん、必死に生きようとするリリー。現実の捉え方ですれ違う2人。今まで描いたこなかった寅さんのリアルと日常の裏側、人間性の縁取り。なかなか踏み込んだ一本になっている。寅さんの目の前で預金通帳が登場。なんかドキッとした。身勝手が再発する寅さん。なんでこんなにも人の気持ちが見えないのか、なんでこんなにも人の気持ちを受け止められるのか。

博が再会、このパターン良いね!
博の1人ってゆうシーンがまず良い。相変わらずめっちゃくちゃ綺麗やなリリー。歌上手い〜〜。

新潟から秋田へ、裏日本を仲間と回る寅さん。とらやで再会じゃなくて電話で話して戻るパターン。めちゃ新鮮で良い。東京で初めに会うのがゲンちゃんで、嬉しそうな顔して駆け寄るの可愛い。家族皆で休日を過ごそうとするとらや。公園でアヤメを見ながらお弁当。

飛行機が怖い寅さん。そもそも車乗ってる寅さんも初めて見た。御前様優しいしオモロいな。飛行場行く時のさくらお洒落やな、その細い赤のベルト。車椅子寅さん。米軍ヘリの意味深なカット連続。病室のリリーのなんとも嬉しそうな顔、涙。

沖縄県民、何言っとるんか分からん笑
こんなにそもそもシステムがちゃうんか。でもやっぱり雰囲気がゆったりしてて素敵やな。

イルカの水槽の内側から見る寅さん、まじでジワる笑笑 おもろすぎやろ。シンプルにダイバーへおっちゃんムーブをぶちかます寅さん。行き倒れ寅さん。特製の鰻重を当然のように用意するおばちゃん、良い人だあ。

居候先のおばちゃんが素敵過ぎる。
とらやトークの、終戦後の小さい寅さん&さくらのエピソードが温かい。

社長と寅さんがやり合う庭の喧騒の裏で、寅さんの帽子と鞄を2階に持って上がって涙を浮かべるさくら。

リリー!
寅さん!からの走ってハグ
ここで流れるテーマソングアレンジが素晴らしい。

寅さんの告白シーン、まさかのシーン、しかし流れも動機も、全てが紛う事なき完璧のものだった。からのまた新しいテーマソングアレンジ。大人の恋愛。どこまでも切なく美しい、大人過ぎる心の行き来。

お母さんの唄う哀しい唄。

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元々はお前さん方が血と汗を流して稼いだ金よ。それを俺が取り返したまでよ、さあ。

私生まれも育ちも葛飾柴又です。
人呼んでネズミ小僧たあ、俺がことよ!

ごめんねえ、お金使わせて。
いいんだよ。兄さんの為ってより、リリーさんの為さ。

何しろお前、遠いからな、時間がかかっちまったんだけど、ごめんな。寂しかったんだろ、1人でな、もう安心しろ、これからは俺がついてるからな。

お前も、沖縄まで来て、病気してよ、どんな苦労したんだ。

2枚目が訪ねてくんだもん。
誰が、いつ来るんだおい。
もう来てるよ。
ど、どこに?
私の目の前によ。
ばかやろぉお前、そんな事言っちゃいけないよ。

ビール冷えてるか?
もちろんさ!
汗かいたろ、はいお風呂入っといで!
どうだお前も入るか?
もう入っちゃったっ。

ようするにいつも振られっぱなしってことだよ、そんな事俺に言わせんなよバカ!
まだ式は挙げてないよって、そう答えた。

2ステージで8000円だって、衣装代にもならないわよ。馬鹿にして。タバコ一本くれる?沖縄って暮らしやすいって聞いてきたんだけど、どこも同じね。

でも、夫婦じゃないだろ?アンタと私が夫婦だったら別よ?でも違うでしょ?
馬鹿野郎お前、お互いに所帯なんて持つ柄かよお。
アンタに女の気持ちなんて分かんないのね。

いいか!?リリーさんはな、アンタを愛してるんだぞ!!
愛してなんかないよ!!
てめえ、さてはデキてやがんなこの!

アンタも、苦労するね。

船長、俺を東京へ、東京へ一直線に連れて行ってくれ。

コラ!ご飯食べないと寅さんみたいに行き倒れになっちゃうよ!

男の世話になるのはまっぴらよ。

リリーさんの愛の告白ね。

おばちゃん、それはどうゆうこと?
社長は黙っててください!!!

きっと会えますそのうちに!
博笑笑

リリーの作った沖縄料理は美味かったよ。

私、幸せだったあの時。
リリー、俺と所帯持つか。

は〜ぁ、夢か。

あれ、少しは本気だったのよ。
分かってた。でも、ああしか答えようが無くて。

ねえ寅さん、もし旅先で辛い目にあったり病気になったりしたら、こないだみたいに来てくれる?
ああ、どこでも行くよ。沖縄でも北海道でも飛行機に乗って飛んで行くよ。
嬉しい。きっとよ。

幸せになれよ!

やあね別れって。
うん。さて、俺も旅に出るか。

俺はお前、リリーの夢を見てたのよ。
友二朗

友二朗