映像になってしまえば何だって喜劇になるということが実感できる。
麻酔で眠らされたオラウータンが電気ショックを与えてられて射精するのなんてシュールコメディそのもの、生理的にキツいリスザルの分解実験も見慣れてしまえば愛くるしい表情をした脳みそ剥き出しの顔、無重力空間で渋い顔するお猿と戦闘機のカッティングも笑いを禁じ得ない。
倫理は映像にしてしまえば骨抜きになって茶番に映る。善悪ではなく、そういうもんなんじゃないかな。実験台になっている霊長類に目を向けるとき科学者たちはマッドサイエンティストにしか見えず、淡々と仕事を行う彼らに目を向ければプロ意識を持った職業人の美しさにも気がつく。まあ、シンドい映像なことには変わりないけれどね。
