ポンコツ娘萌え萌え同盟

神州天馬侠のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

神州天馬侠(1958年製作の映画)
3.6
「神州天馬侠」のタイトル出るまでが最高。開始早々に徳川が武田方襲い掛かる大人数の大殺陣を持ってくる大盤振る舞い。本編の開始地点となる本陣が炎上し、天目山を下る伊那丸を映すオープニングに心が掴まれる。
大まかなスジは生き延びた勝頼の息子の伊那丸と武田の忠臣達で再興を目指す冒険譚と、武田の秘宝を狙う家康方の魔の手が襲い掛かる娯楽映画。主演は若い頃の澤村藤十郎(沢村精四郎)が伊那丸を演じる(顔が良い)。

冒険譚を軸に裏切り、騙し討ち等、危機に次ぐ危機と色々要素を詰め込んでいるが、脚本・構成自体はメリハリがついて理解しやすい。
幻術はショボいけど、大鷲に乗る少年の特撮に、本編の殺陣の場面数の多さも相まって観ていて楽しい作品ではある。
一方で上述した通り、最初に襲われ生き延びて再興を図るストーリー性もあるが、復讐色を強調した作品ではないので、この点をもう少しクローズアップして欲しかった気持ちもある。

OP以外で個人的に印象に残った場面は宿改めが宿に突撃する場面だろうか。その前の場面が町が祭り賑わいだったのに、宿改めが来たことで一転。宿が押しかけ2階の各部屋のドアを開けるまで、宿の外からそれをカメラワークで映している。一つだけ窓が開いてないところを映したところで、次のカットに入るのが何故か個人的にお気に入り。
家康の汚いトラップ、終盤の殺陣、案山子にすり替えの術見どころ自体は多いはずなのに・・・