紫のみなと

男と女の紫のみなとのレビュー・感想・評価

男と女(1966年製作の映画)
4.0
冒頭に現れるアヌークエーメのダークブラウンのチャイナ風なコートに白のタートル、白の手袋!宝石の様な瞳にブルーのシャドウ、センターパーツのボブヘアをかきあげる仕草といい、目が奪われっ放しの1時間42分。女神のようなアヌークエーメの夫がピエールバルーである違和感に最後まで囚われ(実際も夫婦という)、早く忘れてしまえばいいのにと焦れったくなる。ジャン=ルイ・トランティニャンが若いですね。眼差しがいい。彼に関しては初老の頃がさらに素敵。アヌークエーメのコートの中でトランティニャンが煙草に火を付けるシーンにドキリ。主役2人の伴侶の死因がやけに劇的であったり、突然サンバを歌い出したり、一見チグハグな感じも総体的には魅力となるでしょうか。ストーリーとしては単純ですが、アヌークエーメが電報を打つシーンはちょっと躍動的な感動がある。セピア色の海辺や子供たちのお洋服まで、とにかく全編に渡りオシャレの極み。冬のはじまりには観たくなる。