うりぼう

男と女のうりぼうのネタバレレビュー・内容・結末

男と女(1966年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

午前10時の映画祭13

半世紀近く前にリバイバル館で観た記憶があるが、超有名な音楽と車に乗った二人のシーン以外、記憶にない。そうか、こんな映画だったんだ状態。

同じ寄宿学校に就学する子を持つ男女、配偶者は訳ありで亡くし、お互いに憎からず想う。女の娘は男に懐疑的、男の息子は女に好意的。

2回目の親子デート、男の指先はなかなか女に届かないが、帰りの車の中では大胆に手を重ねる。女は意外な行動にムッとし、妻の事を詰問する。自分の事を語らず距離を縮めるのは無理、ましてや別の女を家に待たせておいて。

男の方が積極的、レーサーの男はモンテカルロ・ラリーで繰り上げ優勝し、TVで観ていた女は、祝電を打ち、最後に「愛してる」と付け加える。打ち上げの宴席で電報を受け取った男は小躍りして、ラリーカーをパリへ走らせる。

車の中で作戦を立て、翌朝、女のアパートを尋ねるが留守。管理人から行き先を聞き出し、学校近くの海辺で見つける。女は気づき、驚きの喜びに子供も構わず、抱擁。

当然のようにホテルで同衾となるが、女の心には前の旦那との逢瀬ばかりが蘇る「魅せられて」状態。果たせぬまま、チェックアウトとなり、女は電車でパリへ、男はラリーカーで帰路。

男は、女心の不思議さを呪い、呆然とする。女が乗換えてパリに向かう事を思い出し、もう一勝負に出る。電車の中の女、自分の行動に驚きつつ、自問自答する。

パリ駅へ先回りし、待ち伏せる男、見つけて男の胸に飛び込む女、再び犬はリードを外され飛び跳ねる。女心と秋の空。

手に入いらぬものを掴むことが勝利と思う男と答えの見えるものが好きな現実的な女の駆け引き、いかにもフランス映画であった。
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