ハマジン

運命の女のハマジンのレビュー・感想・評価

運命の女(2002年製作の映画)
1.5
リメイク元のシャブロル『不貞の女』を百万回見てから出直してほしい。
ダイアン・レインがアカデミー賞候補級の「熱演」で、なれ初めからいちいち身体を張って演じないと成立しない「不倫モノ」なんて、大時代すぎてつき合ってられない。ステファーヌ・オードランは「開始数分電話ガチャ」だけで一瞬のうちに浮気を悟らせてたぞ。観客は妻の不倫相手殺害後の夫の「行動」をねちねちと追いかけたいんであって、リチャード・ギアの慌てふためいた「心理的」な顔なぞ見たくもない。エレベーター事故の一連(俯瞰ぐるぐるカメラ)もアホくさすぎて完全にシラケる。
元の三面記事的な話のキモは「お互いに感づいている秘密(妻:不倫、夫:不倫相手を撲殺)を一切口にしないことで、逆に夫婦の絆が深まってしまう」という点にあったわけで、本作終盤で二人が泣きながら真相をゲロし出すに至って、夫婦共々馬鹿なんじゃなかろうか、とひたすら死んだ目で眺めてしまった。

オリヴィエ・マルティネスのムダに多い出血量だけよかった。
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