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ロゼッタのTaTのレビュー・感想・評価

ロゼッタ(1999年製作の映画)
4.0
一人の少女が負った痛みと重さの話。

アル中の母親、キャンプ場での生活。目の前にあるろくでもなさと「まっとうな生活」という儚い希望。他人を蹴落としてまで手に入れようとしたものが現実に掻き消される姿は痛切で、手持ちカメラで彼女を追い続ける手法も物語に現実性を与えてくれる。
ただ、生理痛とか重そうに持つガスボンベとかあざとく分りやすい表現には少しもの足りなさも残る。

この映画で唯一流れる音楽は友人が叩いた下手くそなドラムの曲。それが調和なく、詰まることのない現実との距離を表しているようで印象的。
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