タッくん弐

ビッグ・リボウスキのタッくん弐のレビュー・感想・評価

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)
3.1
ボウリングするしかねえ

名優ジェフ・ブリッジスのこの時期の仕事の選び方が大変興味深く、どの役でも大体汚さを帯びているのがよい

失業中にて時間が余っている感じ、やることなくて男同士でたまる空間に共感を抱きました

暇な人間が致す事柄は大抵ロクなことがないといった教訓でもありますがキャストより寧ろコーエン兄弟が体現しております

兎に角、鑑賞後の心に残らない感が強くてですね

果たして小生は何を2時間近く観せられていたのかとそんな気持ちに陥ったりもしたのですが人生とは割とそんなものなのかもしれません

ドニー役のスティーブ・ブシェミは流されるまま、特に事情も分からずに結末を迎える訳ですが世間一般的にはこれこそ我々庶民を顕すようで

色んな事柄が自分の意思とは関係なく起こり、なんだか知らないうちに完結していくのは監督の作風としては一貫している予感

クレイジーなウォルター役のジョン・グッドマンがモンスターズ・インクでサリー役を演じているのは過去を持った大人の証明

少女ブーを抱きしめる姿も主人公デュードを抱きしめる姿も変わらぬ優しさ、俺とお前、あんたのことアニキって呼んでいいかい

しっかり考察すれば導き出される正解はあるのかもしれませんが、それすら作品自体が望んでいないようなそんな気がした初夏の頃

誰だ誰だ頭の中呼びかける声は
あれが欲しいこれが欲しいと歌っている

ときめきが消せやしない
いま、あなたに伝えたい
タッくん弐

タッくん弐